印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2016年12月28日水曜日

B0/ VLF枚葉インクジェット機はdrupa2020に出展されるか?

印刷業界の2016年を振り返る時、ドイツ・デュッセルドルフで開催された世界最大の国際印刷機材展 drupa2016に触れない訳にはいきません。とはいえ、drupa2016の内容を改めて紹介するのもナンですので、世界で1番早く次回drupaを予測するブライター・レイターらしく(笑)drupa2016を踏まえつつdrupa2020のトレンドを予測します。

さて、drupa2016の華はB1サイズ枚葉インクジェット式デジタル印刷機でした。Landa社と小森コーポレーション、富士フイルムとハイデルベルグ、ゼロックスとKBAといった、デジタル印刷機・オフセット印刷機のメーカーがそれぞれの強みを持ち寄って共同開発した機種は、非常に高い生産性・印刷品質・用紙対応性などを実現し、オフセット印刷機の一部の仕事を置き換えることも視野に入れています。

drupaの歴史を振り返ると、drupa2008・drupa2012ではB2枚葉インクジェット機が大きな話題でした。そして、drupa2016ではB1枚葉インクジェット機が注目の的でした。では、次回drupa2020(2020年開催)では B0(B倍)やVLF(Very Large Format)の枚葉インクジェット機が出展され、同じように大きな話題になるのでしょうか?

私は、十分に可能性はあると考えています。ただ、それは以下のような特徴を備えた印刷会社をターゲットにしたかなり尖った機種になりそうです:

  • 『B1枚葉インクジェット機 x スマート工場』という仕組みを武器に、小ロット/マスカスタマイゼーション(一品大量生産)向け紙器パッケージ印刷の仕事を十分に開拓できている(あるいは、開拓の目処がついている)印刷会社
  • ギャンギング(複数ジョブの多面つけ)のノウハウも武器である印刷会社
  • 自社が必要なスペックを機材メーカーに示すことができる印刷会社、など

こんなに尖った機種だと「drupa会場で紹介しなくても良いのでは」という声も出てきそうです。しかし、私はこういう尖った機種こそ、drupa会場に展示すべきだと考えます。印刷業界の可能性や気概を業界の内外に示すことができるからです。

この年末年始は、drupa2016を振り返りつつdrupa2020の動向を予測する記事を上げていく予定です。大掃除やおせちに飽きたら、ぜひこのブログを覗いてみてください(笑)!
(写真は drupa2016会場に展示されたB0枚葉UVオフセット機 KBA Rapida 145