印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2012年12月26日水曜日

トヨタ型印刷物と日産型印刷物

先日、ある海外の印刷通販会社のマネージメントの方々とお話しをする機会があったのですが、ランチの際にトヨタと日産の自動車の違いが話題になりました。その印刷通販会社のお一人が仰るには、「トヨタが作っているのは単なる自動車だが、日産は『エキサイティングさを与えてくれるもの』を作っている」とのことでした。

そのお話しをお伺いしながら、私は印刷物にもトヨタ型と日産型があるのでは、と考えていました。非常にコスト効率高く生産されており、さらに最新の技術を使われてもいるのですが、印刷物の受取り手にその素晴らしさが伝わりにくいのが「トヨタ型印刷物」。それに対して、トヨタほど生産効率が高い訳でもなく、また必ずしも世界最先端の技術が使われている訳でもないのですが、手に取ると誰もが楽しさやわくわく感、うれしさを感じるのが「日産型印刷物」。

印刷業界は来年も厳しい状況が続くことが見込まれますが、その中で売上・利益を伸ばすためには、特徴ある「日産型印刷物」の提供を進めるという選択肢もあるかと思います。つまり、印刷物発注者さんに対して「こうすればもっと楽しくなります」とか「もっとわくわく感が出て効果が高まります」といったご提案をすることで、仕事の付加価値(売上単価と利益率)を高めるという戦略です。これは、全印工連が提案する感性価値の実践のひとつだと考えています。

先日あるパッケージ印刷会社の方からお伺いしたのですが、実際、「こうすればもっとパッケージの魅力が高まります!」という引き出し(アイデア)を沢山お持ちの営業の方が取ってくる仕事は、引き出しが少ない方と比べて単価と利益率が高いそうです。

年末・年始のお時間がある際に、自社が生産している印刷物、そして目指している印刷物がトヨタ型なのか日産型なのか、改めて検討してみるのも有効かと思います。もちろん、フェラーリ型やポルシェ型、ベンツ型など、さらに特徴ある方向性を目指すのもエキサイティングだと思われます。

ところで、こちらは私が年末のご挨拶用に作成したカードの写真です。今年、drupa視察の際に訪問させていただいたロンドンの王室御用達の印刷会社さん(The Wren Press)にデザインと印刷をお願いしたもので、自分としてはロールス・ロイス型だと勝手に考えています(笑)。予算の都合で少部数しか作成できなかったため、一部の方々にしかお送りできませんでした。大変申し訳ありません・・・ただ、まだ手許に少し残っておりますので、ご興味のある方はご連絡いただければと思います (^ ^)

本年も皆さまには大変お世話になりました。来年も皆さまの売上・利益拡大に貢献させていただくよう全力で頑張りますので、何卒よろしくお願いいたします!
良いお年をお迎え下さい。