印刷物をもっと「つくる」「使う」「残す」ことを支援する、ブライター・レイターのブログです。

2012年7月22日日曜日

印刷会社が「変化する = 生き残り、さらに売上・利益を拡大する」ためのポイント

昨日(7月21日)、印刷技術懇談会35周年記念講演会に参加しました。講演は下記のような豪華3本立てで、とても刺激的なものでした:

  • 水上印刷株式会社 社長 水上光啓 氏
    • 「業態変革からソリューションプロバイダーへの進化」
  • 内閣官房 地域活性化伝導師 木村俊昭 氏
    • 「地域産業である印刷会社が地域振興に果たす役割」
  • 中西印刷株式会社 専務 中西秀彦 氏
    • 「電子書籍がやってくる ---- 紙と印刷の未来」
Webの利用が広まる中、印刷会社の顧客(印刷物発注者)とその顧客(印刷会社からみれば「顧客の顧客」)のコミュニケーションが大きく変化しています。印刷会社が生き残り、さらに売上・利益を伸ばすためには、自らも変化することが必要不可欠です。今回の講演では、それぞれ異なる視点から『変化する = 生き残り、売上・利益を拡大するためのポイント』についてお話いただきました。

面白かったのは、事前に各講師が内容をすり合わせた訳ではなかったと思うのですが、それぞれがそれぞれを補完・強調するような内容になっていたことです。3つの講演全体を通して示されたポイントは、以下のようにまとめられるかと思います:

  • 戦略を立て、勇気とエネルギーを持って行動に移す:
    • 部分最適ではなく、『全体最適』を実現するための戦略を立てる:
      • 自社と顧客、その顧客まで含めた最適化を実現する戦略
      • 事業構想(利益が上がる仕組み作り)、事業継承も含めた戦略
    • 実行する際には顧客やパートナーも巻き込む:
      • 顧客やパートナーと情報を共有し、役割を分担する:
        • それぞれの「得意なこと」を組み合わせて全体最適化を実現する。
    • ワンストップソリューションも戦略を立てて実現する。
  • 提供するサービス内容を継続的に評価・分析し、サービスを強化し続ける:
    • 顧客に積極的・主体的に関わる:
      • コミュニケーションを通じて悩みを聞き出し、その解決案を提案する:
        • 解決策は、全体を最適化するもの
      • 悩みを解決する仕組み作りに、企画から関わる
    • 人の感性に訴求する印刷サービスを価値として提供する
    • 自分ではなく顧客の喜びを考える
    •  人財を育成し、企業文化・企業風土を含めた「独自力」を高め続ける。
    • サービスの比較対象を自分の中に持つ。
  • 自分から積極的に変化する:
    • 少しずつでも取り組む。
    • 継続的に取り組む。
    • 自分のやっていることに熱中する
    • 自分のモチベーションを高める:
      • 「楽しく、豊かに、感動しながら、かっこ良く」
    • 自信を持って前に進む
    • 少しずつ継続的に変化し続けることを通じて、業態変革を実現する:
      • 業態変革の推進力は、経営者の情熱
こうした刺激的な内容の講演を楽しむことができた上、個人的には懇親会でのジャンケン大会でデジカメまでいただいてしまい、今回の記念講演会はとても思い出深いものになりました。印刷技術懇談会では今後も今回の講演と同様の深くて濃い内容の月例会が開催されると思いますので、私も是非参加したいと思います。