印刷会社の新規ビジネス成功支援を専門とするコンサルティング会社 ブライター・レイター のブログです。

2016年9月12日月曜日

【新サービスのご案内】印刷会社さまの体幹を鍛える研修

ブライター・レイターでは、「印刷会社さまの体幹を鍛える研修」の提供を開始いたします。サービス・工場・ブランドの3つを『印刷会社さまの体幹』と位置づけ、研修を通じてこれらを鍛えていただきます。本研修は、以下の内容になります:

  • 準備運動:狙いを定める:
    • 3つのシンプルな質問に答える:
      • 御社は、どんな「コト」を提供しているか?
        • 顧客のどんな課題を解決したり、期待に応えたりする「コト」を提供しているのか?
      • なぜ、それを提供しているのか?
        • 顧客がさまざまな課題や期待を持つ中で、御社はなぜその課題・期待にフォーカスしているのか?
      • 誰が、それを心の底から必要としているのか?
    • MISを活用する。
    • 先見型アプローチを活用する、など
  • サービスを鍛える:
    • メニューを尖らせる。
    • 問診票を進化させる。
    • 課金モデルを進化させる
    • 価格設定力を鍛える、など
  • 工場を鍛える:
    • 仕組みを尖らせる。
    • 営業との関係を太くする。
    • 顧客・「顧客の顧客」との関係を太くする。
    • 設備投資上手になる、など
  • ブランドを磨く:
    • メッセージやストーリーを共有する。
    • スキルや専門知識を磨く。
    • スタッフの誇りを高める。
    • ファンを増やす、など

  • 研修概要:
    • 講 師:ブライター・レイター 山下 潤一郎
    • 以下の3つのコースをご用意しております:
      • 1回(概要紹介)コース
      • 3回(速習)コース
      • 6回(しっかり習得)コース
      • 1回あたり3時間程度、月1回を想定:
        • 毎回、座学とワークショップを組み合わせて実施
        • 宿題も毎回あり。
      • 定 員:10名程度を想定
    • 提案力のみ・商材のみ・工場のみなど、特定のテーマだけを扱うカスタム研修も対応可能。
    • 1社での開催・業界団体などを通じての複数社での合同開催など、さまざまなパターンにも対応:
      • 会場や研修日時などは応相談。
      • 人数や回数、1回あたりの研修時間なども適宜対応いたします。
    • 印刷機材メーカーさま、印刷機材販売会社さまなどが主催されるイベントでの開催にも対応いたします。
    • 料 金:応相談

ご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

2016年7月5日火曜日

KADOKAWAさん、drupa2016で何を買いましたか?

drupaで最新の印刷機材を購入するのは、印刷会社だけではありません。drupa2016期間中の6月4日、HP社から「KADOKAWAが新たに構築する書籍の製造プラットフォームに、HPのデジタル印刷ソリューションが採用された」との発表がありました。

KADOKAWAが今回購入した機材には以下のようなものが含まれます。いずれも、今回のdrupaで発表されたばかりの最新機材です:


これらの機材は、所沢市の旧所沢浄化センター跡地にKADOKAWAが建設する生産および物流の拠点に導入される予定です(2018年に稼働予定)。これらの機材を使うことで、文庫、ライトノベル、新書、コミック等の本文、口絵、表紙、カバー、帯にいたるまでを一貫生産できます。

ところで、KADOKAWAは2015年4月からアマゾンジャパンと書籍・雑誌の直接取引きを始めています。また、今回drupaで買った機材が設置される旧所沢浄化センター跡地では、KADOKAWAは「ところざわサクラタウン(仮称)」という出版という枠を超えたテーマパーク的な事業を展開する計画です。

こうした動きから、KADOKAWAはdrupa2016で購入した機材を活用して、直接消費者に書籍やサービスを提供する「B2C企業」へと進化したいのでは、と想像されます。最近、メーカーのマーケティング担当者から、「物流企業が間に入ることで、自社製品を使ってくださっている消費者の顔が見えにくくなるケースもある」というお話をお伺いすることがあります。

もしかしたら、KADOKAWAも同じような課題を持っているのかもしれません。確かに、消費者と直接取引きできれば、自社製品(書籍や雑誌)に対する評価やニーズを把握しやすくなります。一方、物流コストは下がってきていますし、デジタル印刷システムを使えば在庫を最小限にできます。こうした市場環境の中、「出版ビジネスのB2C化」を模索する動きが本格化しても不思議はありません。

2016年8月5日(金)18時15分から東京・神保町で、「最新印刷技術が切り拓くこれからの出版ビジネス - drupa2016に学ぶビジネスの可能性 -」というセミナーを開催します(企画:出版研究センター、主催:出版ビジネススクール事務局)。このセミナーでは、今回の記事で分析したKADOKAWAの取り組みにもさらに深く切り込みます。

出版分野でのデジタル印刷活用にご興味のある方、あるいは出版ビジネスの競争のルールを変えるアイデアをお探しの方、ぜひご参加ください (^ ^)

HP PageWide Web Press T490 HD
HP Indigo 50000

2016年6月30日木曜日

Elanders社さん、drupa2016で何を買いましたか?

「drupa2016で何を買いましたか?」シリーズ第2弾はElanders社(スウェーデン)です。Elandersはもともとスウェーデンの印刷会社でした。それが今では、従業者数およそ3,200人、15カ国以上でサプライチェーンマネジメント、印刷&パッケージ、eコマースなどのサービスを提供する企業へと進化しました。

drupa初日の5月31日、ElandersがLandaの商業印刷用B1枚葉デジタルインクジェット機 S10P のヨーロッパにおけるベータサイトとなることが発表されました。Landa社のリリースによれば、S10PはElanders社がドイツ国内に持つ施設内に設置されます。Elanersは、S10Pで広告関係の印刷物やカタログ、DM、高級な雑誌などを印刷する計画です。

drupa会場で、ElandersはHP社から以下の機材も契約しました:

HP社のリリースによれば、Web Pressはオフセットの仕事をデジタルに置き換えることで効率性を高めるために使われます。そして、Indigoは自動車や家電などのデータドリブンなキャンペーンで使うことが想定されています。これらの機材はドイツおよびスウェーデンのElanders社の施設に設置されます。

ちなみに、Elanders社は中国にもオフィス(北京)と印刷工場(北京・上海)を持っています。すべて空港の近くにあり、工場にはデジタル機とオフセット機が設置されています。今回のdrupaで発注・予約した機材は中国には設置されないようですが、今後Landaが北京や上海に設置されるかもしれません。

Elandersは物流を得意とする会社なので、LandaやIndigoを使った自動化された仕組みで「日本の印刷の仕事を北京や上海で受けて日本に発送する」というサービスを提供するかもしれませんね。「物流 × デジタル印刷」が切り拓く印刷サービス、まだまだ可能性が大きそうです (^ ^)

2016年6月28日火曜日

Cimpress社さん、drupa2016で何を買いましたか?

drupa2016が終わってからまだ2週間あまりですが、すでにたくさんのdrupa2016報告会が開催されています。ありがたいことに、私にもたくさんのお声がけをいただいております。ただ、時間の都合でなかなか報告会ではご紹介できないお話も少なくありません。

例えば、「印刷会社さんがdrupa会場でどんな機材を購入(予約)したか」というもの。とても面白いトピックなのですが、ここまで深掘りする機会は滅多にありません。折角なので、このブログでご紹介したいと思います。

その第1回目はCimpress社(オランダ)。1994年創業の比較的新しい商業印刷会社ですが、年商はおよそ15億ドル(1,500億円)。Vistaprint を傘下に持つ世界最大の印刷通販会社といった方がイメージが湧きやすいかもしれません。もともとVistaprintという社名でしたが、さまざまな印刷通販会社を買収したため、Cimpressという社名に変更しました。

さて、そんなCimpress社はdrupa2016でどんな機材を購入(予約)したのでしょうか。Landa社のニュースリリースによれば、まずdrupa初日の5月31日に 、Landa社の商業印刷用B1サイズ枚葉デジタル印刷機 S10P を20台導入することを発表しました。

仮に1台5億円とすると、20台100億円の投資です。ベータテストが成功裏に終わった後という条件付きではありますが、かなり思い切った判断です。導入される際には、Cimpress社用にカスタム化されるようです。

Cimpress社の「お買い物」はこれだけに留まりません。WhatTheyThinkの記事によれば、HP社の液体トナー機 Indigo 20台も購入しました(Indigo 12000と推定)。オランダ、イタリア、カナダに設置する予定で、注文したIndigoの半数以上は年内に設置されます。実は、Cimpress社はHP社製デジタル印刷機の世界最大のユーザーで、今回のdrupaで発表された PrintOS もすでに活用しています。

Cimpress社は、デジタル印刷機によって一部既存のオフセット印刷の仕事を置き換えることを考えていますが、同時に新しい仕事の獲得も計画しています。効率性重視の印刷通販会社においても、デジタル印刷の導入・活用状況はどんどん進みそうです (^ ^)


Cimpress CEO Robert Keane shakes hads with  Indigo General Manager Alon Bar-Shany
copyright: WhatTheyThink

2016年6月20日月曜日

drupa2016まとめ(その1)

2016年5月31日から6月10日の11日間、ドイツ・デュッセルドルフで世界最大の印刷機材展 drupa2016 が開催されました。私は今回、5月31日〜6月4日の5日間会場に通いました。前回(2012年)は足を踏み入れることの無かったホールもあったのですが、今回は何とか全ホール(19ホール)を取材することができました!

とはいえ、会場となったデュッセルドルフ見本市会場は、屋内部分だけでも展示スペースは262,400㎡。これは、昨秋IGAS2015が開催された東京ビッグサイト第1ホール〜第6ホールの合計(約83,000㎡)のおよそ5倍の広さ。そして出展企業数は1,837社。正直、見ていない部分の方が多そうです (^ ^;

さて、今回のdrupaでしたが、印刷物発注者そして印刷会社の課題や期待が多様化していることを背景に、展示内容も非常に多様化していた印象でした。ただ、いくつかの方向性は見えてきたように思います。その方向性は、例えば以下のようにまとめることができそうです:

  • B1 drupa
  • Inkjet drupa . . . Season 3
  • 24/7/365 drupa
  • (色+α)on paper drupa
  • 1% drupa
  • その他注目のトピック:
    • 次世代トナー機
    • 3Dプリンター
    • AR/ VR/ プロジェクションマッピング
    • 曲面に印刷
    • 印刷通販会社の出展、など

私の表現力不足で、字面をみても「何これ?」というものもあるかと思われます (^ ^; この詳細を以下のセミナーなどでご説明しますので、ご参加いただければと思います:


上記以外にもdrupa報告セミナーが企画されています。決まり次第お知らせしますので、ご都合のよろしい会にぜひご参加ください!会場でお会いできるのを楽しみにしております (^ ^)

2016年5月25日水曜日

drupa2016に向けて:その他注目の印刷・加工技術, Webサービスなど

「印刷の未来」に触れることができるのも、drupaの面白さのひとつです。
例えば、今回のdrupaでは新しい印刷物や印刷サービスを可能にする、以下のような最先端の印刷・加工技術を見ることができそうです(というか、見たいです(笑)):


また、会場では以下のようなWebサービスに関する展示も探してみます。これらと印刷(あるいはコミュニケーション)を組み合わせることで、新しくて刺激的なサービスを開発できそうだからです:

  • 機械学習
  • 深層学習(ディープラーニング)
  • 認知技術(画像認識, 音声認識, 自然言語認識, など)
  • AI(人工知能)
  • IoT/ Industrie 4.0
  • Bot、など

私はここ1年〜2年くらい、セミナーで「近い将来、テンプレートベースの印刷通販は無くなって、対話を通じてデザインする印刷通販が主流になる」というお話をしています。上記のようなWebサービスを使うことで、「対話ベースの印刷通販サービス」は実現できそうな感じです。デザインのスキルも身に付けた女子高生AIりんなちゃんが、ステキな会話をしながらナイスな印刷物をデザインする、というイメージでしょうか(笑)

印刷の可能性を広げる新しい技術は、まだまだたくさんあります。広い会場には、印刷関連の展示会では普段見かけないような最新技術が展示されているかもしれません。ぜひ、小さなブースにも目を光らせながら、新しいサービスのネタを探しましょう!

2016年5月23日月曜日

drupa2016に向けて:印刷系ソフトウェアの最新動向

drupa2016の特徴のひとつに、ソフトウェアに対する興味が高まっていることが挙げられます。印刷会社や印刷機材メーカーの方々とdrupa事前情報についてお話をしていると、ソフトウェアに言及される方がかなりの割合でいらっしゃいます。

これまでの展示会ではハードウェアばかりが話題になることが多かったので、この変化に少々驚いています。とはいえ、印刷サービスにおけるソフトウェアの重要性を考えると、この変化は当然のことです。

さて、主な印刷機メーカー(デジタル印刷機およびオフセット印刷機)やEFI社のソフトウェア関連の出品状況をまとめたのが下の4枚のスライドになります。これらから、drupa2016におけるソフトウェアのトレンドとして、以下のようなキーワードが見えてきます:
  • 統合化(end-to-end ソリューション)
  • クラウド化
  • セグメント化
  • モバイル化/アプリ化

統合化(end-to-endソリューション)やクラウド化は4年前のdrupa2012でも言われていましたが、今回はより実用的なレベルの商品として提案されそうです。一方、モバイル化/アプリ化については、米国・シカゴで2013年に開催されたPRINT13で比較的大きく扱われていたように思うのですが、今回はあまり表立って出てきていないように思います。

ただ、マーケティングやコミュニケーション分野では、注目されているというか「普通」に対応が進んでいるものです。会場では、ソフトウェアのモバイル化/アプリ化の動向もしっかり確認しましょう。

EFI社は、私が勝手に(笑)「印刷系ソフトウェアのトレンドを知る目安」にしている企業です。必ずしも最先端の技術を取り入れた製品を開発・提案している訳ではないのですが、常に広い視点から「少し先」を示す製品を紹介しているように思うからです(気のせいかもしれませんが(笑))。そのEFI社ですが、今回は以下のようなセグメント別のソフトウェアを出品するのが印象的です:
  • 印刷会社の規模別
  • 市場別(パッケージなどアプリケーション別)

印刷機や加工機が「万能なもの」から「特徴のあるもの」「自社に合ったもの」「仕事に合ったもの」へとシフトしているのにあわせて、ソフトウェアも同様に進化しているようです。また、今回のソフトウェアでは、以下の機能に注目したものが多く見られるように思います:
  • カラーマネージメント
  • マーケティング

マーケティング用ソフトウェアについては、毎回ゼロックス社のXMPieに注目しているのですが、今回も面白いものが紹介されそうです。また、リコーがこの分野のソフトウェアを積極的に展示することを発表しています。コニカミノルタも、ソフトウェアのお話にはあまり触れていませんが、ブース全体としてマーケティングをテーマにすることを発表しています。

マーケティング関連ソフトウェアは、印刷会社が自社の需要やブランドを創造することに加えて、顧客(印刷物発注企業)がその顧客(印刷会社から見れば「顧客の顧客」)との関係を深めるための有効なツールです。また、仕事をどんどん獲得し、印刷機や加工機をガンガン回すためのとても大事なツールです。
ぜひ、この分野の情報も積極的に収集・分析しましょう!